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増加傾向にある中学受験者数 学歴社会から抜け出せない親たちの心の内

知ったかぶりでは許されない「学校のリアル」 第13回

◆学歴は不確実なレッテル、それでも求めざるを得ない

 レッテルは絶対ではないが、レッテルがあったほうが可能性は広がる、と彼はいう。そして、「レッテルは、持っていないより、持っていたほうがいい。持っていても役にたたないかもしれないけど、必要なときに持っていなかったら可能性を潰すことになります」ともいった。

 さらに、自分を納得させるような口調でいった。「入学試験を乗り越えれば、より高い次元に自分をもっていける可能性につながるレッテルがもてます。だから、『合格しろ』と子どもにいうし、そのために安くない学習塾の費用も払っているわけです」

 保護者も単純に学歴社会を信奉しているわけではない。ただし、学歴社会を完全否定できる材料もない。であれば、「可能性」という不確実なものに、保護者は賭けるしかないのだ。そうした思いを、我が子の中学受験、高校受験、大学受験のたびに、保護者たちは強めていくのかもしれない。

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前屋 毅

まえや つよし

フリージャーナリスト。1954年、鹿児島県生まれ。法政大学卒業。『週刊ポスト』記者などを経てフリーに。教育問題と経済問題をテーマにしている。最新刊は『ほんとうの教育をとりもどす』(共栄書房)、『ブラック化する学校』(青春新書)、その他に『学校が学習塾にのみこまれる日』『シェア神話の崩壊』『グローバルスタンダードという妖怪』『日本の小さな大企業』などがある。


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